「とこしえ」
意味:変わらずにいつまでも続く・こと(さま)。とこしなえ。えいきゅう。
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日本を代表する前衛芸術家であり、ウォーホールにも影響を与えた
草間彌生さんのドキョメンタリー映画 『≒草間彌生〜わたし大好き〜』
を拝見してきました。
今日は最終日で、夜は予定が入っていたため
わがままを言って、昼過ぎに少し時間をもらうことにしました。
この辺の会社の柔軟さは本当にありがたいです。
正直言うと、自分は草間さんの作品の中で「なじめない作品」もあります。
それでも、2004年に六本木ヒルズの森美術館で行われた
来場者数52万人を超えたといわれる『クサマトリックス』の
見る人の視覚全体を覆う、息苦しいほどのインスタレーションや、
「わら」の匂いがする、無垢なイメージ空間の先にある
「少女たち!青春がやってくるらしい」(ご自身の少女時代の不幸と照らし合わせて)
という言葉を目にした時の感動は、今でも鮮明に残っています。
お世話になった方のおかげで、同時開催されていた「六本木クロッシング」の
オープニングレセプションにも参加でき、会場の奥で座っている草間さんは、
とんでもなくサイケデリックなオーラを放ち、まさに「前衛の女王」といった感じでした。
そんな草間さんを1年半記録した貴重な映像。
真っ白なF100号キャンパス(160×130cm)に
モノクロの新作「愛はとこしえ」シリーズを描く様子を
(ほぼ)定点観測した制作過程のシーンは非常に興味深く、
何の抵抗もなく「私は天才」と言い放ち
ご自身の作品を見て「わぁ素敵ぃ!」と連呼する作品への自信とは裏腹に
作品が紹介、論評されている記事には、ちゃんと目を通す「キュートな素直さ」には、
ともすれば「アートの神話」を振りかざす、
「アーティストもどき」とはまるで次元が違うことが分かります。
カメラマンの「どうしてもテープに収める」という強い意志や
松本さんの、ちょっといじわるな問いかけも、
微妙な緊張感が生まれ、とても良かったと思います。
大変貴重な瞬間を見ることができました。
あの創作への「欲求」は見習わなくてはいけません。