映画「モンテーニュ通りのカフェ」を観てきました。
http://www.montaignecafe-movie.jp/
軽やかな、いい映画でした。
何が軽やかと言えば
“時間の流れ"が軽やかで、
“会話"が軽やかで、
“展開"が軽やかで、
時にはギャルソンの格好で、
時にはGジャンとピンクのベストにデイバックを背負いながら、
登場人物と登場人物の「間」を、軽やかに歩く、
主役のジェシカ(セシール・ド・フランス)が
映画全体に軽快な「リズム」を作っていました。
さらにジェシカ以外の出演者も、とても魅力的で素晴らしかった。
私の(ちなみにヴェンダースもタランティーノもアニエスも)
ゴダール映画ベストワンである、『はなればなれに』に出演していた、
資産家(美術収集家)グランベール役のクロード・ブラッスールが、
分かり合えない息子に「愛人は財産目当てに違いない」と非難された時、
『年をとると、人は過ぎた日ではなく、残された日を思うのだ』と
素直に答えるシーンは、30の若造の生硬な心にも染み渡り、
※グランベールはガンに冒され、自分の人生の期限を知っています。
全編にちりばめられた、心が豊かになる台詞群は
出演者たちの内側を見事に、一瞬で観客に焼き付けます。
「夢をかなえた人」には、次(遠くにあるもの)の苦悩があり、
「夢をかえることができなかった人」もいとおしい存在なのです。
もう一つ、好きな台詞。(パンフの内容とダブって、何か、嫌ですが…)
携帯電話のコールにイラッとした彼(フレデリック)に、ジェシカが、
『人には2種類あるの。電話がかかってくると、"クソッ"と言う人。
そして"誰かしら?"と私のように心をときめかせる人』
こんな風に諭されたら、男なんてイチコロです。
私は君に、胸キュンです。